番外: 銀座「High Five(ハイ・ファイブ)」で モーツァルト・リキュールの夜
今夜の主役はこちら、
lara様 出演の クリスマス・コンサート で ミニボトルがもらえる♪
・・・という、モーツァルト・チョコレート・リキュール☆
訪問日 「 2009/12/16 」 ( その他、最近の過去記事は→ こちら )
モーツァルトの生まれ故郷といえば、そうです ザルツブルグ。
その名を冠してザルツブルグで生まれたチョコレート・リキュールが・・・、
奇しくもブログの縁で ザルツブロガー と 銀座の名店カクテルバー に橋渡し。
銀座 「Bar High Five」 中央区銀座7丁目2-14 第26ポールスタービル4F
電話 03-3578-5815 【 地図 】
まずは当店 「ハイ・ファイブ」 の 上野マスター 登場♪
画面が暗くてスミマセンが(汗)、動画スタートから20秒ぐらいのとこ。
まるで、密教の修験者か呪術師か!? と思える、怪しい(失礼)しぐさ。
何をしてるのか、わかりますか・・・???
関係各位のご尽力を経て、最終的に今回の席を調えて下さったのは
「東京グルメ 居酒屋訪問記」 の、M様。
そして、ご縁のきっかけ 「ザルツブログ」 の、lara様。
そのご縁をつないで下さった 「馳走に屋号に意匠あり」 の、まさぴ。様。
そしてワタシと同様、そのご縁に導かれた「東京のむのむ」 の、のむのむ様。
まずは、これからお試しをと・・・ カクテル 「シトラス・ショコラ」 。
モーツァルト・リキュールのブラックを、ジンジャーエールで割るのですね。
仕上げに柑橘系のフレーバーを。
おや、チョコ風味ならオレンジピールが合うのでは?と思いきや、上野マスターはライムピールを絞って、グラスの中へ。
「 いただきます♪ 」 ・・・まずは、香りから。
この香りで、ライムピールの選択に納得。
チョコレートだけに、香りの主体はカカオ。ただし同じナッツ系とはいえ、フランジェリコのような甘さ主体の香りではなく、アマレット系の大人っぽい複雑さがある。
個人的意見としてはオレンジピールは苦味を含んだ香りを目立たせてしまうため、ここはやはり、クレンジング効果のあるライムピールが正解。
味は、じつに、バッチリですよ☆ これを最初に!という気持ちがわかる☆
おおおぉいしいぃ~~~い♪
驚いたのは、モーツァルト・リキュールを割った ジンジャーエール の違い。
甘口と辛口の2種類を使い分け、ワタシが選んだのは 「甘口」 のほう。
ちょっと、「辛口」 のも味見して良いですか?と、M様のをテイスティングさせていただくと・・・
うーん☆、これこそ個人的に変な感想かもしれないけど、香りがまるで違う。
「スイート」で感じたような独特のクセを含んだナッティ・フレーバーじゃなくて、なんだか 葉巻 を保管するヒュミドールを開けた瞬間のような、ラッパーを思わせる印象。
それに葉巻といってもコゲ茶色じゃなくて、緑色のほうね(笑)
これは面白い。ここにライムピールの香りを合わせるとすれば、オキ・シロー氏の「ジャマイカン・マティーニ」 を彷彿と・・・!? ( レシピは全く違いますが )
では、似た傾向のあるアマレットと半分づつ合わせてみたら・・・?と。
あらま☆。美味しいけど、あまりにも想像どおりの味なので面白くない(汗)
常温で飲むなら、モーツァルト・リキュールを単品で味わうほうが、やはり味の完成度を下手に崩さないためにも賢明でしょうねー。
よしよし、それじゃ lara様のコンサート会場 ではコイツの小瓶をあけて、客席でチビチビと・・・ ムフフ♪
では、全く別系統のクセがあるお酒ではどうか?・・・と。
アニス系との相性を試したくなって、ウォッカ・アイスバーグ を注文。
ここに、モーツァルトをフロートさせてみたら・・・ と思ったら初歩的な大失敗☆
リキュールだけに糖分の比重が重く、あっという間にグラスの底へ。
ちょっと氷をぐるぐる回転させてみても、グラス表面の香りはアニスだけ(汗
まあ怪我の功名でコジつければ、クセのあるアニス系のカクテルを味わうとき、このモーツァルト・リキュールがグラスの底に控えていれば、「デザートの甘いもの」的に楽しめる、ということかも。
カクテルの表層に浮かべる「フロート・スタイル」とコレとを組み合わせれば、上から順に3層構造のカクテルに。
さらに言えば、透明な「ドライ」タイプのモーツァルト・リキュールを使えば、見た目ではホワイトスピリッツと区別できないので・・・ これは、飲んだお客が最後に驚きますよ☆
ちょっとしたイタズラを仕掛けたいときにオススメの手かもね。
さて 「ザルツブログ」様の貴重な現地ルポ(一般者は立ち入り禁止の訪問記!) を拝見してから気になって仕方が無いのが・・・、
こちらの透明なボトルにおさまった 「ドライ」。
まずは、マティーニの変化球としてオーソドックスな・・・
しかしバーテンダーによってレシピの多彩な、チョコレート・マティーニ を当店流にお願いします、と。
ジンの銘柄は、特に指定しなければ ビーフィーター。基本ですネ。
さきほどのトニック割りでは炭酸の泡が独特のクセを強調する方向だったのだけど、こちらのマティーニのように静かにステアしながら冷やすと・・・、
じつに スムーズ!!
舌にひっかからず、サラリとした喉越しがエレガント。
後口の香りが、徐々に、ほんのり、カカオっぽさを立ち上がらせて。
過去に何度か飲んだ チョコレート・マティーニ は、一口めの最初は美味しいと思っても、喉を通るときにチョコの余計な自己主張があってイマイチと感じていたのだけど。
これ、いいなぁ。
二郎インスパイアのごとく、あまたある変種マティーニに飽き飽きしたカクテルファンが、この一杯を味わったとたんに
「 “モーツァルト” のチョコ・マティーニ、うまいじゃん! 」
と、あわてて駆け戻ってくる予感・・・☆
ちなみに比較のため、常温 で飲ませてもらった「ドライ」は・・・
ああ、これも美味しい。ただし先程のようにサラリとした印象からは変わって、いかにもリキュール!という、「つかまえて離さないわよ」 的な、ネットリ濃厚感が横溢。
ブラック・ラベルの製品に比べると、見た目の印象からか、カカオ系と言うより純粋フルーツのオー・ド・ヴィーに似た、クリアな(透明感のある)風合い。
さらに、さらに・・・☆
氷温 → 常温、ときたら、あとは ホット でも試さねば!!
築地のお茶漬けマニア は、
じつは バー・カウンターのお湯割りマニア でもあったのです(笑)
湯気に曇る、グラス。
ここでまた意外なことに、このモーツァルト・リキュールは、温めるとチョコレートならではの甘~い香りが、うしろに隠れるように姿を変えてしまう。
今回は試さなかったけれど、もしも ホットミルク で割ってみれば、縁続きのナッティ・フレーバーを持つフランジェリコやノチェロなどと違って、甘さが前面に出ない “大人の味” を演出できると思う。
これまた実に面白く、自分でも1本は買わねば☆、と思った次第。
ちなみに lara様は、これをスタバの抹茶と合わせてみたいそうですが・・・!
ともあれ、やはり味わう順番は、まずブラックラベルなどの既存レギュラー品。
その次に「ドライ」ってのがオススメかも。
いきなり「ドライ」を飲むと、最初から変化球になりそうなので・・・☆
じつに興味深く、しかも美味しくて楽しい経験の夜でした。
ごちそうさまっっっ♪
【 当夜お世話になったバーテンダー、上野マスターのこと 】
じつは今回の記事では、上野マスターの人柄が面白すぎて(!)、また奥深い知識と、たいへん独創的ながら説得力あふれる見識に魅かれて、ついつい記事本文が上野マスターに向かってしまい、モーツァルト・リキュールそっちのけになるので困りました(笑)
なので一旦は書いた記事をぜんぶ消して、上野マスターに関することだけを失礼ながら最後にまとめて書かせていただくことにしました・・・☆
・「 カクテルを作るとき、ほんのちょっとだけバー・スプーンで
手の甲に垂らして “味見” するやつね。
私は、あれじゃ味はわからないと思いますよ 」
きっぱりと言い切る、上野マスター。
よくぞ言ってくれました!と、ワタシは心のなかで快哉を叫びましたです。
今まで、みんなやってるから「わからない」なんて恥ずかしくて言えなかったこと。
じっさい、マージャンで 盲牌 できないのは恥だと思うのと同じぐらい “変な常識” なんですよ、コレ。
そんな上野マスターのテイスティングは、大さじのプラスチック製スプーン。
もちろん手の甲に垂らしたりせず、直接、お口へ。
金属臭を避ける意味でも、プラスチック・スプーンを使うのは納得です。
・「 何かの “おまじない” みたい?(笑) 」
冒頭の動画、スタートから20秒あたりで見られる、あの謎の仕草。
カクテルをグラスに注いで、仕上げのピールの時。
( 通常、グラスの斜め上30センチぐらいの距離からレモンの皮などを絞って、カクテルの表面に香りをまとわせ、また微量のオイル成分を浮かせる技法 )
このとき上野マスターは、カクテルに向かってピールを絞るのではなく逆に上方に向けて香味と精油をとばし、それぞれの比重の差で上下に時間差で分かれる成分のうち、カクテルの風味づけに適した層だけがカクテル表面に達するように、空中で「選り分ける」ために、こういう仕草をしているのでした。
この技法って、もしかして最近は一般的なのかな?
なにしろ恥ずかしいことにワタシ自身のカクテル歴は、ほぼ10年前に時間が停まっているので昨今のカクテル事情には疎いんですわ・・・(汗
・「 プラスチックのシェーカーをこんなに使っているのは、
私だけかもしれません 」
同じく、冒頭の動画で30秒目あたりからのシーン。
フルーツや生クリームを主な材料にして、シェーキングで作るカクテルの場合。
上野マスターが愛用するのは、某所で買った(それも、けっこうなお値段で!)という、軟質プラスチック製のシェーカー。
トップのストレーナー部分が無ければ、ほとんど 哺乳瓶 に見えそうなシロモノ。
「 きっと、上の部分は “大人用” と “赤ちゃん用” のアタッチメントを使い分けるんだよ(笑)」 などとワタシは冗談で言ってしまいましたが・・・☆
しかしコレも考えてみればコペルニクス的転回と言うべきか、あまたのバーテンダーが苦心惨憺する 「シェーキングのとき、シェーカー内部での氷の “あたり” を、いかに柔らかくするか?」 という難題への、シンプルで明快な回答になってます。
つい先日、NHKのBS放送でカクテル特集の番組がありまして・・・
熟練した一流のバーテンダーが、いかにシェーカーの中で氷をなめらかに回すようにシェーキングしているかを特殊撮影で検証していましたが。
その録画を見ながらワタシは上野マスターのことを想起して、「 なんだ、軟質プラスチックのシェーカーを使えばいいじゃ~ん☆ 」 と思ってしまったのでした。
もちろん、ハード・シェイクで意図的にフレーク状に砕けた氷をカクテルに混ぜ込みたいときは、上野マスターも金属シェーカーで景気よく振りまくってました!(笑)
★おまけ★
M様のデジカメから AF補助光 が、カクテルグラスの中へ・・・
( 以上 )
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コメント
興味深いですね。
昔カクテルにはまっていた頃、
モーツァルトリキュールを買って、色々試した覚えがあるんですが、面白そう。
遊びが楽しそう。
投稿: なべひろ | 2009年12月23日 (水) 08時32分
◆なべひろ様、
そうそう。なんたってカクテルは「遊べる」のが楽しいですね。
興味をひくリキュールと出会ったら、ワタシは
・氷温
・常温
・お湯割り
・ソーダ割り
・ショートカクテル
・その他、バーテンダーのおすすめ
・・・と、ひととおり試さねば!と(笑
ちなみに、スタンダードなショートカクテルは大体、
夏はソーダ割り、冬はお湯割りにしても楽しむのが
ワタシの定番だったりします・・・☆
投稿: つきじろう | 2009年12月23日 (水) 09時33分
つきじろう様。
さすが、の詳細レポート、ありがとうございます!!
特に世界的バーテンダー上野氏の逸話はもう、直接最重要アーヒヴ行きです。
おいしかったですね。ストレートも、最高の技術の魔法付きも
投稿: ららじろう | 2009年12月23日 (水) 11時25分
出たなぁ~、カクテルおたくぅ~(笑)。
黙っているなと思ったらそれは、ビデオを回している時だと知りました。
バーのカウンターでお湯割りを注文するのは、ステレオタイプなボクには悔しいことに真似ができましぇん。
ドライ、どうすれば手に入るのだろうね。
投稿: まさぴ。 | 2009年12月23日 (水) 11時39分
◆ららじろう様、
モーツァルト・リキュールの楽しみ方をあれこれ教えて
もらって夢中になりながらも、上野マスターの人柄にも
ぐいぐいと引き込まれる夜のひとときでしたね!
ワタシにとっては個人的シュミの世界でもあるため(笑)、
このままエンドレスな記事になってしまいそうでした・・・☆
◆まさぴ。様、
ぐふふっ☆、ワタシのオタッキーな正体の一端をお見せ
しちゃいましたか!?(笑)
日本で「ドライ」が流通開始するのも楽しみですねぇ・・・☆
カクテル作るときのシェーキング・フォーム、ぜひとも
動画で記録したかったんですよ。
それと「お湯割り」は、ほとんどのバーで遠慮なく頼める
注文だと・・・思ってるのはワタシだけかなぁ?(汗
ともあれ、いろいろ準備段階からお声がけまで、今回は
誠にありがとうございました!
投稿: つきじろう@カクテルヲタ | 2009年12月23日 (水) 23時39分
ビデオだと噂の神業(?)がよくわかりました!
良く知った声も入っていますね~(笑)。
しかし色々な可能性がありますね、モーツァルトリキュール。ストレートで飲んでばかりなので、反省(苦笑)。
お湯割りって、カクテルバーで頼めるものなんですね?!
ジンとの組み合わせも、簡単なので、家で試してみようとおもいました。
投稿: sepp | 2009年12月24日 (木) 06時49分
◆sepp様、
ええ、まさに動画のアドバンテージが発揮されるのが
こういうネタですね!
> 色々な可能性がありますね、モーツァルトリキュール
昨日までのコメントでも書きましたが、カクテルは自由な
発想で「遊べる」ものですからね。あとは飲み物以外で
ケーキやアイスクリームにかけたり、お料理やお菓子を
作るのに使ったり☆
あ、それと本格バーで「お湯割り」を頼めるかは・・・
ワタシ個人に限っては、まったく抵抗ありません(笑
投稿: つきじろう | 2009年12月24日 (木) 07時35分