【シドニー編13】 フィッシュマーケット(5)セリ場ツアー
訪問日 「2008/02/14 ~ 2008/02/19」 ※最近の過去記事は → こちら
前回までのフィッシュマーケット「お店紹介」の記事(1・2・3・4)では触れていなかったが、ウォーターフロント・アーケード の一番手前側に、「シーフード・スクール」 という看板を掲げたドアがある。
この公式ツアーは毎週月曜と木曜に実施(祝祭を除く)。料金は大人20ドル、6歳から10歳までの子供は10ドル。
見学ツアー参加者はアーケード入口で集合し、おそろいのベストを着用してから、このスクールの階段をのぼってセミナールームでレクチャーを受ける。
すでに筆者個人は興奮状態だったけど(笑)、記事は冷静に・・・☆
早坂様から、アーケード内の飲食店に対する衛生指導もシドニー当局が行うのか?と質問してみると、それは各店の責任でやっているとのお返事。
筆者からは、生牡蠣は日本と同様に「生食用」と「加熱調理用」を分けていないのか?と質問したところ、答えの英語が聞き取れなかったので早坂様に助けてもらった。
いわく、「オーストラリアには牡蠣につく有害なバクテリアがいないので、生食用だけを消毒するといった区別が必要ない」。
つまり浄化のプロセスで味が抜けてしまった生牡蠣ではなく、日本ではご法度の「海でとれたままの状態に限りなく近い生牡蠣を食べられる!」ということ。
牡蠣好きなら、これだけでも目を輝かせたくなる話。
続いて、大きなガラス戸ごしに仲卸のセリ場が一望できる調理実習室へ。
これだ、これが見たかったんだ!
ここの位置は、訪問1回目の記事で筆者が描いた 略図 でいえば
青色の「1」 で示したところ。
仲買人の席は雛壇になっており、正面のスクリーンには逆セリ(スタートから値段を下げていく方法)でのオペレーションが表示されている。→ 下掲: 動画参照!
ジャルパック・スタッフが用意して下さった資料によれば、このセリは1989年から導入されたオランダ製 “ Dutch Clock Auction ” システムを使用。オランダ伝統のチューリップ・オークションで発達したものだそうで、スピーディーな決済がメリット。
取り引きは「クレート」と呼ばれる単位で管理され、従来方式の発声によるセリだと1時間およそ100クレートだった処理速度が、現在のシステムになってからは実に10倍の1時間1000クレート程度に効率化されたとか。
参加者は声を出す必要がなく、ボタン操作でオペレーションできる。
俗に「ダッチ・カウント」と言えば「割り勘」のことだけど、こちらのダッチ・スタイル(オランダ方式)では、プロが真剣勝負で商品を値付けする、静かな闘い = サイレント・オークション が繰り広げられているのだった。
( 同資料によれば、マグロ、活ロブスター、活マッドクラブ、活アワビなどは昔ながらの発声によるセリが行われているとか )
サイレントと言っても実際は陽気なヤジで一同がドッと笑うなど、にぎやかな雰囲気。
スクリーンの下にはセリを統括するコンソール・ボックス。そしてスクリーンの向こう側が入荷した商品の集積フロア。
築地市場との大きな違いは、仲卸業者の店舗がひしめく仲卸エリアが存在しないこと。
フィッシュマーケットが引き受けた魚介類は「SYDNEY FISH MARKET」のラベルがついた専用ボックスに入れられて、セリ場の奥に並べられる。
これを朝4時半から下見した仲買人が朝5時から7時半ごろまでのセリで買い付け、ラベルには手書きでその業者名が書き込まれる。
そして 「ローディング・ドック」 と呼ばれる車両エリアから積み出していく・・・。
このあたりまでを、動画で。
【 動画: 見学ツアー、スタートからセリ場まで 】
★携帯電話で動画を見る場合はこちら!
画面表示( 配布資料より ): 「REM」は残り在庫クレート数、「MAX」は1人の仲買人が購入できる最大クレート数。「REM」がゼロになったら該当商品のセリは終了。
調理室のドアを抜けて、仲卸エリアに下りていく。
築地市場では、そこらじゅう発泡スチロール製の「トロ箱」だらけなのだけど、こちらでは発泡スチロールに入っているのは貝類など少数派で、多くの魚は繰り返し利用できる統一規格サイズのプラスチック箱で扱われている。
この箱だが、魚の大きさにあわせてサイズを分ける仕組みではないらしい。
魚のほうが大きくてシッポがはみ出しているのも多数・・・(笑)
それにしても、これは大胆すぎませんかと・・・☆
箱のラベルは「DOL FISH」、ドルフィンフィッシュってことは「シイラ」。
右の写真は顔もラベルも見えないけど、まずヒラマサでしょう。こんな感じで無造作に置かれている箱も多い。
あとで疑問のタネになったのが、例のブリとヒラマサの話。
ヒラマサにしては黄色が薄く、顔が見えなかった魚はブリかな?と思ってガイドさんに「イエローテール?」と聞いてみると「イエローテール!」と即答。
そうかブリか、と納得していたら別の並びのところでヒラマサを発見。そちらは「KingFish」とラベルに明記。
うーん。もしかすると先刻、ガイドさんは一般的に知名度の高い「イエローテール」という名前をとりあえず使っただけで、あれも実はヒラマサだったのかも?・・・ と。
ろ様からも「(天然の)ブリがいるのは日本近海だけですよ」とのコメントあり、あれがもしブリだとすれば、養殖か輸入物。
顔が見えなくても写真だけは撮っておけばよかったと悔やまれる・・・。
あとチャイナタウンの記事で紹介したけど、単に「イエローテール」と言えば、ご当地ではアジを指すことも。
さて、こちらは箱のラベルによれば「バス・グローパー」。
漫画『美味しんぼ』の豪州編で出ていたイメージとは少し違う。近隣種?
こっちはヒゲがあるけど、もしかして淡水魚!?(名前チェック忘れ)
チルド状態のマグロを、ここで常温解凍?
詳しくは未確認。超低温の冷凍マグロの解凍は専門の技術と設備が問われるところだけど、チルドだったら室温放置でもいいのかな?
ちなみに、このセリ場はTシャツでも平気で歩ける温度。
それと一緒に置かれているのは大きさと長さから見て、カジキ。
下の写真はビンチョウマグロ。
おお!こんなところでカキタベ委員長のイメージキャラと出会えるとは(笑)
顔立ちの迫力でいえば、左上のシイラが一番かな。食べてみたかった。
右のコチは、シドニー市街の回転寿司でも「FlatHead」という素直な名前(笑)で店頭メニューに載っていた。
左上は、ボニート(カツオ)。腹の縞がクッキリしているのは新鮮な証拠。
右上は「EEL」(うなぎ)と箱ラベルに書いてあったんだけど・・・ ツチノコみたいに頭の後部がふくらんでいて、こりゃウツボに近いんじゃない?などと思ったり。
さらに、フロアの隅っこのほうにあるエビ・カニ・貝類のコーナーも拝見。
写真下・左はブルースイミング・クラブ。
築地と違って場内には ターレー は走っておらず(笑)、もっぱら フォークリフト が活躍してました。
さっき見たセリ場の、階段状になった仲買人席の真下の様子がコレ。
キャッシュディスペンサーと、「クルマ売ります・買います」など情報交換の掲示板。
最後は「クリスティーズ」の裏口通路からアーケードに抜けてツアー終了。
ガイドさんに皆で
「ありがとうございました!」
さて、ここからお待ちかねの
魚河岸グルメタイム♪
屋外の飲食テーブルコーナー、席の確保はGinger様。皆で手分けして食材を調達。
まずは、ヒロキエ様が目をつけていたマッドクラブ。お店に頼んで、その場でボイルしてもらったもの。( いろいろと交渉では苦労した模様・・・ )
日本でもおなじみの、ウチワエビ。えらく肉厚で食べごたえあり!
青い体がボイルすると赤くなるブルースイマー・クラブ。お寿司もぜひ♪
ほかにも、くに様が気になっていたシーフード・ヌードルや、俗に「インド人のターバン」と呼ばれる巻き貝、青果店で買った例の絶品マンゴーやランブータン、それにもちろん、生牡蠣も忘れません!
青空 のもとで、ゆるやかな 潮風 。 なんとも 贅沢 な魚河岸ランチパーティー。
ごちそうさまでしたっっっ♪
< おまけ > カメの歩み様ことキヌバリ様が好きそうなネタ(笑)
※ この企画では、ジャルパックのご提供により筆者は「ジャルパック・AVA(フリーステイ)シドニー」のパックツアーに参加する形でのシドニー訪問です。
< シドニー編: 予告+全16回の記事リスト>
00. 予告
01. 到着 ( 空港 ~ 水上タクシー ~ オペラハウス ~ ホテルまで )
02. カフェ 「 ビルズ/bills 」
03. レストラン 「 ブルーエンジェル/BLUE ANGEL 」
04. フィッシュマーケット(1): 地図&動画ツアー
05. フィッシュマーケット(2): アーケード地図+店舗群(前半)
06. フィッシュマーケット(3): アーケード店舗群(後半)
07. フィッシュマーケット(4): アーケード以外の店舗群
08. チャイナタウン&マーケットシティの魚屋さん
09. レストラン 「 リーガル/REGAL 」
10. レストラン 「 グラス/glass 」( ヒルトンホテル内 )
11. ハーレー日和 ( 55aiai様、くに様と )
12. レストラン 「 アクア/AQUA 」 他
13. フィッシュマーケット(5): 公式見学ツアー
14. ブリッジクライムの前と後 ( 早坂様、蓮花様と )
15. レストラン 「 オーシャンルーム/OCEAN ROOM 」
16. 帰国
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コメント
このウツボ風ウナギは肉質がもの凄く硬くて美味くないんだとか?
でもちょっと食べてみたかったなぁ。
私はマッドクラブとバグが食えたんで幸せでしたヨ。
投稿: ヒロキエ | 2008年3月20日 (木) 00時36分
◆ヒロキエ様、
ウナギは日本人だけの好物かと思いきや、ヨーロッパでは
古代ローマ人も愛好したという御馳走だそうで。
味は柔らかい日本風か、それとも固い豪州風?
マッドクラブの迫力もすごかったですが、バグが肉厚で
食べ応えあるのも嬉しい驚きでしたね。
投稿: つきじろう | 2008年3月20日 (木) 06時29分
オーストラリアの生牡蠣、
お腹は痛くならないものの、相当緩くなった記憶が(笑)。
そのままだったのですね^^;。
投稿: n.fujii | 2008年3月20日 (木) 08時10分
◆n.fujii様、
あらま!、それは運が悪かったですね~☆
さすがに「そのまま」ってことは無いと思いますが(笑)。
生食用だからといって特別に追加するような浄化工程は
無いですよ・・・という意味でしょうね。
投稿: つきじろう | 2008年3月20日 (木) 08時15分