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番外:「埼玉B級ご当地グルメ王決定戦!」 その6

この種のイベントで得られる素晴らしい 出会いの収穫 は、3つあると思う。

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「味」 と、「人」、そして 「情報」!

春の築地 まとめ記事は → こちら / 最近の過去記事は → こちら

< 当シリーズの過去記事 >

その5: その他のエントリーからピックアップ 
その4: 煮ぼうとう(深谷) 
その3: みそポテト(秩父)、なまずのたたき(吉川) 
その2: 行田フライ(古沢商店) 
その1: ゼリーフライ(駒形屋) 

訪問日 「2007/11/11」 ( 掲載日 「2007/11/24」 )
ここまでに登場しなかった他のエントリー写真を交えながら・・・♪

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今回の埼玉でも、多くの 「忘れえぬ出会い」 を得られて本当に良かった。
あえて、その中から筆頭に挙げるとすれば・・・

「味」 では、「みそポテト」!
いつでも、どこでも、誰とでも。
老若男女にオススメできる気軽で美味しいオヤツは、B級グルメの鑑(かがみ)♪

「人」 では、「大食い茶屋」の釣りキチ四平様!
知力・体力・行動力、すべて常人の域をはるかに上回るポテンシャル☆
それでいて謙虚で独特のユーモアを持ち合わせた、稀に見る好人物なのです。

そして 「情報」 では・・・
今回チャンピオンの座に輝いた「武州 煮ぼうとう」、その他の関係者の皆様から伺ったお話は、昨今の郷土食やB級グルメにまつわる「当事者のホンネ」であり、また重要な「問題提起」 だったのです。

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その 「情報」 をもとに、ちょっと考えたこと。
ただの私見で長い文章になるので、おヒマとご興味のある場合だけどうぞ・・・☆
( 参考: 6月の富士宮 「B1グランプリ」 感想まとめ )

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  ◇「つみっこ」(本庄市)


★その1:「 “B級” と呼ばないで・・・ 」


以前、あるB級グルメ専門に仕事をしておられる方が、こう述べておられた。

「 ぼくは、“B級グルメの人” って呼ばれるのは当然OKなんだけど、ちょっと省略して “B級の人” って言われたりするんだよ。あれは勘弁してほしいなぁ(笑) 」

このときは一緒にアハハと笑って終わりだったのだけど、考えてみれば、これはけっこう大事な話。

「武州 煮ぼうとう」出展者の言葉 を思い出してほしい。

「 B級グルメ?、これは我々の郷土が誇る食卓の王者だよ! 」

そうだよなぁ。人間がB級と呼ばれて不快なら、料理のほうだってB級と言われるのを拒む権利があるはずだ。

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そもそも郷土料理の中には、せっかく作ったお米を年貢でほとんど持っていかれて地元で食べるものが足りないから、蕎麦だの小麦だの徴税対象でない作物を苦労して作って工夫をこらして食いつないだ結果、受け継がれ発達したというものもある。

そんな苦難の歴史を知らずして、「こんなのB級じゃねぇか」 なんて言ったら。
・・・まず、その場でチカラいっぱい殴り倒されても文句は言えないと思うのだ。

地元の人に愛され、ぜひ全国の人にも知ってほしいと願われている郷土食は、きっと素晴らしいものがたくさんあるはずだ。


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  ◇「太麺やきそば」(川越市)

「町おこし」を悲願とする多くの自治体にとっても、その町の人口を上回るほどの来場者が全国から集まる食べ物系のイベントは、いまや未来への希望をかけた期待の星だったりする。

それでも、今回の煮ぼうとうのように、「オレたちはB級だとは思ってないけど、地元の役に立つなら参加しようじゃないか」 と、あえて一肌脱いで “B級グルメ” の看板に加わってくれる奇特なケースは、かなり例外的なのかもしれない。

“B級グルメ” は現在、世間の注目を集めるキーワードには違いない。
ただしその反面、潜在的な参加者を阻む諸刃の剣ではないかと。。。



★その2:「 プロとアマ 」

今回の 「煮ぼうとう」 を含め、富士宮で出会った「富士宮 焼きそば学会」「八戸せんべい汁研究所」 を指して、「あれこそ成功パターンの活動なのです」 という言葉を聞いた。

※注: ここで「誰から何を聞いた」てなことは書けません。このブログで書くことの全ての文責は、筆者・つきじろう本人が負うものです。
それと当記事の写真と本文は全く関係ないので、くれぐれも誤解しないで下さいね!


それは、いわば楽しく健全なアマチュアリズム。
本業での利害関係が無い、有志による自主的な集まり。

これまで筆者が聞いたかぎりでは、何かと利害がからんで話がこじれやすいのは・・・ うーん、やっぱりプロのほうかなぁ。
企業や個人商店の名前よりも 「地域代表」としての資格をどう認定するか、ってとこが難しい。

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※ 同日開催イベントより。

もちろん、食べる側から見ればプロフェッショナリズムだって大いに歓迎だ。
特にラーメンなど、一定レベル以上の美味しいものを家庭で簡単に作ることが難しい料理については、ぜひともプロの出番!となる。

イベント企画でプロとアマが共存できれば、それはもちろん良いことだ。

しかし、しかし、しかし・・・

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  ◇「こうのすコロッケ」(鴻巣市)

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ケーススタディとしては、たとえばこんなプロの話。
※複数の関係者から聞いた実話をもとにしていますが事実関係の裏づけをとっていないので、あくまで「たとえばの話」としてご理解下さい。

あるB級グルメは、地元で普及しており観光客もたくさん食べに来るのだけど特に業界団体は存在せず、各店が平和に商売をしていた。

そこに、まるっきり縁もゆかりも無い一企業が入ってきて、企業グループ内だけの店を並べ、そのB級グルメの名を冠した業界団体を設立して観光客を呼び込む仕組みを作ってしまった。


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あわてた地元側は対抗措置として同じような団体を結成したのだが、なにしろ本来は組織化する必要のない状況だったから運営は積極的とはいえず、結果として商売っ気の強い“よそ者”の企業側に押され気味。

これでは自分たちの立場が無いと、地元側の団体は「B級グルメのイベントに参加して、一気に全国的な認知度を上げて当団体の正統性を確立しよう!」と考えた。

ところが・・・ 例によって組織的運営ができておらず、イベントに参加表明したあと役員が交代すると、
新役員は「何それ?、聞いてないよ」 で出展中止という顛末に。

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いっそ、例の企業側の団体に参加してもらったほうが、組織的にキチンと対応してくれたんじゃないかなぁ。でも、それって地元を知る人からはブーイング必至か。

・・・というのは、ほんとにごく一例なのだけど。

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  ◇「手打うどん」(加須市) イベント結果は5位入賞。

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※ 終了後、関係者の打ち上げ!

同様のイベントが今後さらに注目度を上げ集客力を高めるにつれ、各地の地元開催で、不慣れな主催者が背負うリスクは大きくなる一方だ。

かといってイベントプロモーターの企業に仕事を丸投げすれば、庇を貸して母屋を取られる( つまり継続的な文化事業であるべきイベント全体が、そのプロモーターの “商品” にされて使い捨てになる )、という事態になりかねない。

というわけで今は出展者だけでなくイベント運営自体も、アマチュアリズムの能力を問われる局面なのだ。

このままでは、昨今頻発する医療ミス訴訟をおそれて病院経営が立ち行かなくなる医療業界の一部と同じく、リスクを恐れて新規の開催候補地では誰もイベントの主催責任者をひきうけてくれない・・・ という状況も危惧されかねない。


★その3:「 で、“客(ブロガーを含む)”の立場は? 」

こういった状況下、「出展者」と「主催者」に次ぐ第3の存在、つまり「客」である我々は何を考え、どう振る舞うことになるか?

たとえば筆者は、まことに微力ながら「客の立場で」ブログを書く。
そのブログの役割といえば・・・

1.主観的な「うまい」「まずい」といった感想を書く。
2.同じく主観的な他人のブログと意見交換する。


これらが最近は少し進んで、

3.同じ「客」同士の立場だけでなく「出展者」や「主催者」とも交流を持ち、時にはコラボレーションを試みる。

このへんから「店との癒着」だの「売名目的」といった声も上がってくるわけだが、筆者としては「美味しいものを安心して安全に味わい続けたい」という目的で、食文化や各業界に必要な 「リスク管理」 の役割の一つを、ブログやSNSというメディアが提供するのでは、と考えている。

従来の「告発サイト」や「匿名掲示板」のような、それ自体が業界にとってのリスク要因となる存在では先行きが期待しにくい。

「なんだ、けっきょく我田引水の結論かよ」と言われそうだが、たぶん、ちょっと前に読書メモなどで触れた 「ブログがジャーナリズムを変える」 あたりの議論が、こちらの課題設定にも結びついてくると思う。
・参考: 「ブログ限界論」で語られなかったこといろいろ

 → 「ブログ限界論」、このあと続々とエントリーが出てきそうなので
   こちらにキーワード検索リンクをつけときます。


★ あらためて深く感謝! ★
「日本食べある記」 ぶれいぶ様
「ひるどき日本ランチ日記」 takapu様
「大食い茶屋」 釣りキチ四平様

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コメント

各方面の、いろいろな立場の方のご意見を伺うことができるのも、私にとってはイベントでのひとつの楽しみになっています。
次回はぜひお会いできたらいいですね。

投稿: なな | 2007年11月24日 (土) 20時08分

◆なな様、

 築地ローカルネタだけでなく、全国から熱気あふれる
 皆様が集まってくるところにお邪魔してみると本当に
 良い刺激にも勉強にもなりますね。
 そんな場所でまたお会いできるのが楽しみです!

投稿: つきじろう | 2007年11月24日 (土) 21時32分

 えー…私の考えは来週に(笑)。ちと、色々と立て込んでおりまして…

投稿: takapu | 2007年11月25日 (日) 01時07分

◆ takapu様、
 
 はい、takapu様の記事も楽しみにお待ちしてま~す♪

投稿: つきじろう | 2007年11月25日 (日) 09時19分

確かに郷土料理=B級グルメって喩えるのって不本意な場合がありますよね(^_^;)
どのお料理も美味しそうだけど、特に『こうのすコロッケ』と『太麺やきそば』が気になります♪

投稿: ちはやまこと | 2007年11月25日 (日) 22時15分

◆ちはやまこと様、

 「B級グルメ」という呼び方、客のほうは気にして
 いなくても、地元ではプライドに関わることも
 あるのでは、と思います。

 それでも「B級グルメ」というフレーズは、これから
 イベントを企画したい人には魅力的なようですが。
 http://akita.keizai.biz/headline/193/

投稿: つきじろう | 2007年11月25日 (日) 23時00分

今晩は。
私にとっての「B級グルメ」は「A級」との比較で存在するものではなく、あくまでも独立したものという感覚です。一方で、「旅に行ってまで、B級グルメを食べる気がしない」という声も身近でよく聞きます。人それぞれ、考えがあってよいと思いますが、確かにB級という言葉は、それだけを抜き出すと誤解されやすいのかもしれません。少なくとも、B級=劣るものと決め付けて欲しくないなあと、願います。

投稿: ミルフォード | 2007年11月26日 (月) 00時58分

◆ミルフォード様、

 そうですねー。客のほうは「気軽に食べられるもの」
 といった程度で好意的なイメージを持っていても、
 歴史的背景のある郷土食だったりすると、地元では
 それをB級と言われたら「一段下に見られている」
 と思ってしまうのかもしれません。

 私自身は、蕎麦や寿司も昔ながらのB級の流れで
 生き続けてほしいなあと思うのです。

 ミシュランが何を評価したか知りませんが、寿司は
 長期間発酵を伴うのが伝統的なA級スタイル。他方、
 「酢飯+魚の切り身」という即席スタイルは本来
 気軽に寿司(らしきもの)を食うためのB級ですから・・・☆

投稿: つきじろう | 2007年11月26日 (月) 08時29分

 オレにとってB級は立派にごちそうですよ♪A級は・・・雲の上の存在・・・かな?(苦笑)

 でもオレも「B級=劣るモノ」っていう固定概念が渦巻いてる現状は悲しく思います!褒め言葉として取ってもイイと思うんですけどね~!

 行田フライとゼリーフライ、美味しいですよね~♪

 群馬から程近い深谷の「煮ぼうとう」、トライしてみたいですね~♪

投稿: GIRUSAMA | 2007年11月26日 (月) 10時18分

◆GIRUSAMA様、

 そうですね!私自身も、美味しいB級グルメを腹一杯
 食べることが「シアワセなごちそう!」と感じます。
 
 今回の経験で知ったのは、「食べる側」はB級を歓迎
 していても、地元である「食べさせる側」の人たちは
 本当に強いプライドを持っていらっしゃる、という
 ことでした。
 
 そもそも昨今の「グルメブーム」という言葉自体を
 否定的に見る、昔気質の人は多いですからね。

 そこに「B級」という言葉まで乗せてしまうと、
 「あっという間に終わってしまう“ブーム”」で、
 しかも「安物扱いのB級かよ!?」ということで
 抵抗なり反発を感じてしまうのかもしれません。

 それにしても、やっぱり・・・ゼリーフライも
 行田フライも深谷の煮ぼうとうも、うまかったです!

投稿: つきじろう | 2007年11月26日 (月) 19時37分

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